全国ワーストの貧困率、離婚率でも悲壮感がないのはなぜ?《日本の最貧困地帯 沖縄のリアル③》【神里純平】
日本の最貧困地帯 沖縄のリアル③
■修学旅行費が払えなくても“なんくるないさ”?
もうひとつ強調したいのが、沖縄特有の“なんくるないさ”という県民性である。
次に紹介するのは、知り合いの高校教師から聞いた話だ。
知り合いが勤める学校では、子どもの修学旅行費を払えない家庭がちらほらあるという。しかし大抵は「なんとなかなってしまう」そうだ。どういうことだろうか。
沖縄は子沢山な家庭が多く、必然的に親戚が多くなる。最終的には親戚一同が工面してくれるというのだ。
他にもこの知り合いの教師は、保護者から部費を払うことができないと相談があり、生徒にそれとなく家庭のことを聞いてみたことがあるという。そうすると「お父さんは、昨日も飲みに行って帰ってくるのが遅かった」という話を聞くことが多かったそうだ。
沖縄県は他都道府県と比べても、ダントツの夜型社会だ。それに加えて、飲み会も多いし終電という概念がないので午前様まで宴会が続くのは日常茶飯事なのである。
「明日は仕事は何時から?」
「8時だよ」
「じゃあ、7時まで飲めるね」
という、よく聞く冗談があるぐらいだ。
沖縄には人とのつながりがあり、お酒もある…貧困が社会問題になっていても持ち前の明るさで日々を楽しく豊かに過ごしている県民も多々存在する。